東急バス研究室
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mm SERIES 6 東急コーチの歴史
  
美術館線の開設


 昭和62年3月に東急コーチ4番目の路線として開設しました。開設当初は、二子玉川園駅=美術館のルートが設定されていましたが、平成元年に用賀駅=美術館のルートも設定され二子玉川園駅〜美術館〜用賀駅のルートとなりました。さらには二子玉川平成9年2月の改正により現在のような二子玉川ルートと用賀ルートに分断され現在のルートが設定されています。
 成り立ちとしては、世田谷美術館開設がされた際に開設された一般路線の美術館線「玉09 二子玉川園駅=美術館」と「用01 用賀駅=美術館」がその前身です。ともにコーチ美術館線開設とともに廃止されました。(下の「東急からお知らせ」参照)。
 車両は、他の路線と同じ形式の車両でしたが、塗装はオリジナルカラーとなり車内は、3方シートが採用されました。また、当時としては独自のサービスであった傘の貸し出しも実施し、様々なサービス向上のための工夫がされていました。
 初代のバスは、鳥の名前をつけた車両が走り、世田谷区内の小学生の絵が1か月で交代するギャラリーバスでした。 車両は開設当初5両が配置され、愛称がつけられました。愛称は「ひよどり」「かわせみ」「つばめ」「おなが」「おしどり」で世田谷区に生息している野鳥の名前からつけられました。その後、利用者増により増車され「かるがも」「ひばり」も登場しました。
 この路線は、日産厚生玉川病院付近が非常に狭隘で無線による運行調整がされているのが特徴です。すれ違いが出来ないほど狭隘であるため、そこに近づくと双方で無線による運行確認を行います。デマンドルートは、大蔵病院(元療育医療センター)と玉川病院へ向かうルートが設定されていました。そういった意味では、病院バスともいえる路線設定でした。
  開業当時のチラシの表紙


コーチ美術館線の変遷
年月日 内容
昭和62年3月27日 二子玉川園駅=美術館開設
平成元年4月1日 旧用01をコーチ化し、二子玉川園駅〜美術館〜用賀駅の系統に変更
平成9年2月17日 路線を分断
(朝・夜)
二子玉川園駅=大蔵病院
用賀駅=関東中央病院
(日中)
二子玉川園駅=美術館
用賀駅=美術館
平成13年3月1日 一般路線化路線再編
平成13年9月16日 トランセ管理委託開始
平成15年9月16日 二子系統は、成育医療センターを経由しないルートに変更    ↑美術館で待機中のコーチ美術館線
     現在は、このカラーも見ることが出来なくなって
     います。


 【美術館線の前身】

 二子玉川園駅(元二子玉川駅)からと用賀駅からのアクセス路線として設定されました。ともに瀬田営業所の所管でした。
 玉09は、かつて存在していた森09二子玉川園駅=大森操車所の一部とルートが重複していました。二子玉川園を出発して環八を直進します(直行便)。(森09は、そのまま直進し、石川町を左折、洗足池を経由、さらに右折して環七を大森まで直進するルートでした。)
 用01は、こちらも現在の用賀ルートと違った設定となっていましたが、玉09と違いこちらは途中に停留所が設けられていました。玉09は、コーチ美術館線が開設とともに廃止されましたが、用01はしばらく存続したほか、繁忙期になると直通便も運行されていました。(この直通便にはいすゞロマンスが使用されていたことでも有名)。


←東急からのお知らせ
  NO.39(昭和61年5月号)


市が尾線の開設

 美術館線開設の約10日後、コーチ5番目の路線として昭和62年4月6日に開設しました。市が尾駅から泉田向へ向かう全長3.6Kmの路線です。一部を除き短距離ながら循環ルートとなっており、午前・午後とで逆周りになる設定となっています。
また、フリー降車区間は、全体の3分の1近くを占めています。朝夕は、通勤通学の足として本数が多く日中は、パターンダイヤで20分間隔となっています。開業当初より着実に本数を増やしています。最近では、田園都市線との接続を配慮したダイヤへの改正も行われています。
 路線は、青葉台営業所で所管され開設時に3両が配置されました。平成元年には、2世代目の車両と代替されたのち、平成13年からは、現在のようにノンステップ車も充当されるようになっています。車両については、みたけ台線と共用しているようです。

     →東急からのお知らせNO.51
       昭和62年5月号の記事


 東急コーチ5番目の路線として誕生したコーチ市が尾線。コーチとしては、初の循環線となっており運転回数も1日54回でスタートしました。開業当初は、時間帯によっては2本の時間帯がありましたが、現在は日中がほぼ3本のパターンダイヤ化されています。
 また、フリー降車の採用や電話によるコール方式採用などはじめてのシステムも多く採用されました。

コーチ市が尾線(市が尾循環線)の変遷

年月日 内容 備考
昭和62年4月6日 市が尾駅(循環)泉田向 開設
平成13年3月1日 一般路線化路線再編

 左の画像は、開設時のパンフレットの一部ですが、コーチシステムの解説がされています。これまでの東急コーチの車両や設備のほかに、美術館線同様の傘の貸出や、バス接近表示(ロケーションシステム)も設置されました。コールボックスもこれまでの形状から変更となりスリムなタイプに変更されました。


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