東急バス研究室
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 SERIES 7 さようなら川崎営業所
 
川崎営業所の廃止


平成18年前後の路線再編に伴い、管轄路線の移管等はありましたが、川崎営業所廃止に路線移管となると以下のとおりになります。

【川崎営業所廃止に伴う路線移管】
系統名 路線名 運行区間 移管先 実施日 車両
溝02 小杉 溝の口駅〜小杉駅 トランセ高津 平成22年5月1日 8720,8721,8722→TA
660〜664,857→H
209,309,417〜419→NI
溝02深夜
溝03 溝の口駅→新丸子駅西口→小杉駅
出入庫 小杉駅→新城駅→溝の口駅
直行 小杉駅〜等々力グランド
城01 新城 新城駅〜綱島駅 新羽 平成22年7月1日 1803,420,506〜508,725→NI
550→T
1706廃車
川31 川崎 川崎駅西口北〜溝の口駅
川崎駅西口北〜JR小杉駅〜溝の口駅
トランセ高津 平成22年10月1日  1707,1802,656〜659,850〜852,954〜956→TA
421〜423,853〜856,957→H
424,425,460,551,552→NJ
1701→SI
1700廃車
川32 川崎駅西口北〜川崎営業所
川33 川崎駅西口北〜市民ミュージアム
直行 川崎駅西口北〜東芝小向工場
鷺02 鷺沼  鷺沼駅〜小杉駅
鷺沼駅〜川崎営業所
東山田 
鷺02深夜
※溝02は、一部便が平成22年9月30日まで存続。

 川崎営業所の路線は、主に高津営業所となり、城01や鷺02は、かつて管轄されたことのある新羽営業所、東山田営業所に移管されました。
 これに伴い、車両も移籍していきましたが単純に路線ごとの移籍とはならず玉突き的なものとなりました。高津営業所には、大型いすゞ車が在籍することとなりました。

小杉折り返所の設置と廃止
   
■小杉折返所 川崎方面のりばポール
 平成23年6月25日撮影


 平成22年9月30日に川崎営業所が廃止された後、停留所名が小杉折返所に変更されました。
 しかし、平成23年6月30日をもってわずか1年足らずで小杉折返所が廃止となり、停留所名も再び変更となり、小杉御殿町二丁目になりました。

■小杉折返所(当初)
平成22年10月2日撮影

 川崎営業所が廃止された直後の様子です。当初は、小杉折返所も川崎営業所が営業していた時代と同じく、元営業所の敷地で折り返しを行なっていました。
■小杉折返所(当初)
平成22年12月29日撮影

 折り返しは、元川崎営業所の敷地が仮囲いがされ半分の大きさになりましたが、広々と折り返しを行なっていました。
■小杉折返所(元第二車庫跡)
平成23年6月25日撮影

 元川崎営業所の建物の解体が行われ敷地も更地になったことで、元川崎営業所の第二車庫が小杉折返所に転用されました。
 川崎営業所閉所時は、ロープが張られ使用を中止していましたが、その後仮設トイレ、職員詰所が出来て、小杉折返所となりました。
■小杉折返所(元第二車庫跡)
平成23年6月25日撮影

 折返所には、立入禁止の看板がありましたが、「川崎営業所所長」の文字が残っており、約1年弱の間、川崎営業所の香りが残っていました。
■小杉折返所(元第二車庫跡)
平成23年6月25日撮影

 小杉折返所の停留所を出るとゆき先表示は「回送」となり、折返所に入ってきます。
 入口には、職員の方がおり誘導を行なっていました。

■小杉折返所(元第二車庫跡)
平成23年6月25日撮影

 折返しには、少々時間があり折返所の最奥で時間調整を行なっていました。
 出発時間になると「回送」表示で再び出発し、小杉折返所の停留所でゆき先表示が表示されます。
■小杉折返所(元営業所跡)
平成23年6月25日撮影

 元第二車庫を折返所としてからは、路上での客扱いとなるため、すぐに発車となります。
 川崎駅へ向かう川32。
■川崎駅西口北
平成23年6月30日撮影

 川32小杉折返所ゆきの最終バスは、奇しくも元川崎車のTA8720でした。
■川崎駅西口北
平成23年6月30日撮影

 TA8720のリアにも小杉折返所の表示が見えます。
■東横線小杉駅
平成23年6月30日撮影

 川32の終車と東横線小杉駅で出会った川34川崎駅西口北ゆきの終車。
 次の日からは、この川34と川31・33が増便されました。
     
    川崎営業所が果たしてきた役割

 東急バスの神奈川県での発祥は、川崎営業所にありました。川崎営業所が神奈川エリア全域をカバーしていた時代は、路線数や運転回数は少なかった時代ですが、広範囲な路線網を一手に担当していました。その後の住宅開発や道路網の整備により東急バスも路線を拡大していくことになりますが、その元となる路線も多く管轄していました。昭和37年には、4月に日吉営業所、10月に高津営業所が開設され川崎営業所の路線が移管されていきました。日吉営業所の路線は、さらに昭和41年の新羽営業所の開設でさらに拡大するとともに、高津営業所の路線は、田園都市線の開通とその後の開発により、めざましく発展していき、青葉台営業所、虹が丘営業所の開設につながっていきました。
 平成22年9月30日で川崎営業所が70年の歴史に幕を閉じ、廃止されたことは単に時代の変化による路線再編であっただけでなく、神奈川の営業所では初の廃止となっていることから、一時代を築いた発展的な状況も変化してきたといえるでしょう。
 個人的には、武蔵小杉駅周辺の開発も進んでいることからほかの選択もあったのではないかと考えてしまいますがこれも時代の趨勢というものでしょうか。
 川崎営業所は、廃止になりましたが、これからも東急バスのますますの発展に期待したいと思います。


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