東急バス研究室
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 SERIES 7 さようなら川崎営業所
 
川崎営業所の車両たち



川崎営業所に在籍していた車両たちの勇姿を画像で綴ります。

川崎営業所は、日産車メインのイメージからいすゞ車の登場で変化

 川崎営業所の車両は、私の記憶を辿れば日産車(現在のUDトラックス)がメインでいすゞも配置というイメージの営業所でした。
 開設当初〜昭和30年代までは、記録がないので確認はできませんが、日産車やトヨタ車が配置されていたようです。トヨタ車(DR10,DR15)の配置もも昭和37年から昭和45年ごろまで配置されていましたが、その後ワンマン化の頃に他の営業所にまとめて移籍していきました。
 昭和40年代から50年代前半までは日産車(4R92、4R94、4R110、4R105、U20H)といった車両が配置されていました。その後移籍していきましたのでまさに、日産の営業所というイメージでした。
 昭和54年にCJM470が新製配置され、その後は現在のように日産+いすゞの組み合わせになりました。配分的には、それでも日産の比率が多い時代が長かったように思います。


 画像は、往時の川崎営業所の様子ですが廃止まで、車両は変われど、この風景は変わることがありませんでした。

上段:KA538ほか
    この車両たちが在籍していた時代は、富士重ボディだけでなく
    金産ボディや北村ボディのバスも在籍していました。

中段:KA1063ほか
    同じ日産車でも様々なボディのバスが存在していましたが、
    画像中心のKA1063は昭和44年に新製配置された北村ボディの
    日産車で同期は5台在籍していました。


下段:いすゞCJM470の並び
    昭和54年度から廃止まで導入がされたいすゞ車。
    当時は、新車だったCJMも多数在籍していました。


画像提供:上段、中段がO1000さま
ご提供誠にありがとうございます。

   ■川崎営業所データ 歴代在籍車両一覧
 


一時代を築いた富士重ボディの車両たち

 日産車の配置は、4R92の時代に新製配置だけではなく、他の営業所からも多数の移籍がありました。その4R系の車両では、富士重を架装していることが多かったですが、金産ボディや北村ボディを架装している車両たちもいました。4R92には東急バスでは珍しかった前後ドア車も多数在籍していました。
 
上段:KA15(日産U20H(富士))
   川崎営業所にて

中段:KA398(日産K-U31K(富士))
   川崎営業所にて

画像提供:上段、中段がK1655さま
ご提供誠にありがとうございます。


下段:KA806(日産P-U32K(富士))
   市民ミュージアムにて
 
 
移籍車が多かったいすゞ車

 川崎営業所にいすゞ車が登場したのは、昭和54年度の新車からでした。それまでは、日産車が主流でいすゞ車が登場することはありませんでした。初めて登場した新車は、いすゞCJM470で大型方向幕車からで、それ以前の年度の車両で在籍していたいすゞ車はすべて移籍車でした。
 
上段:KA167(いすゞBU04D)  川崎営業所にて
  川崎営業所には、目黒営業所からKA154、166、167、
  荏原からはKA191が移籍してきており、方向幕が小型
  のタイプは4台在籍していました。

中段:KA247(いすゞBU04D)  川崎営業所にて
  大型方向幕の車両も移籍車でした。こちらも荏原から
  KA242、目黒からKA247、248が移籍してきており、3台
  が在籍していました。
 

下段:左からKA426、KA309、KA312(いすゞK-CJM470) 
    川崎営業所にて
  新製配置でその数を増やしていったいすゞK-CJM470

  基本的 には非冷房車として登場して、その後車体再生
  時に冷房改造がなされた車両ですが、昭和58年度車
  のKA537〜539は当初から冷房装備でした。
  また、この年度の車両も荏原営業所や日吉営業所から
  の移籍車も在籍していました。
 
一般路線にも充当されていた観光タイプのロマンス

 ロマンスには、昭和61年度から他の営業所には、登場した川崎営業所の車両はありませんでした。
 その後、昭和63年度には、観光タイプのロマンスが2台やってきました。
 川崎にやって来たのは、KA964,965の2台でいすゞ+富士の東急バスでは少数派の車両でした。川崎営業所のほかは、日吉営業所(のちに東山田営業所)にも同型が1台在籍していました。

 この2台は、溝02で多く使用されていたと記憶していますが、晩年は青葉台、荏原と別々に移籍していきました。

 KA965(いすゞP-LV218N(富士))
   小杉駅にて

 
平成13年11月 川崎営業所に初めて導入されたノンステップバスKA209

 当初は、メイン路線の溝02に限定的に充当されていましたがノンステップ車やワンステップ車の導入が増えていくと、その他の路線にも充当されるようになりました。
 画像は、幕時代の鷺02充当シーンを撮影したもの。その後、LED改造がなされ平成22年5月に、新羽に移籍していきました。


 KA209(日産KL-UA452KAN改(富士))
   小杉駅にて

東急バスでは、初めて西工のワンステ登場
小型車ながら増車を続けたリエッセ

 近年では、平成15年に開設されたさくらが丘線(日23 現在は東山田営業所所管)用に配置されたポンチョやリエッセといった日野車も短期間でしたが在籍していました。

 開設最初は、ポンチョ4台が充当されていたさくらが丘線もその後の利用客の増加に伴い、3台のリエッセと2台のME(三菱)に置き換えられましたが、その後も利用者が増加し続け、平成18年度に3台、平成19年度に2台、平成20年度に1台と増車が続き、最終的にはリエッセ8台体制なりました。
 これだけ、増車が続くのは近年では珍しい例となりました。

 KA547(日野PB-RX6JFAA)
  日吉駅にて
川崎営業所最後の新車となったKA957

 川崎営業所最後の新車として登場したのは、くしくもいすゞのワンステップ車でした。平成19年までは、日産車も導入されていましたが終わりの2年はいすゞ車の導入となっています。
 同期のKA954〜956は平成21年6月に納車されましたが、この1台のみ平成22年3月に納車されており、本当の意味で最後の1台となりました。
 川崎営業所廃止後は、東山田営業所に移籍していきました。

 KA957(いすゞPKGーLV234L2)
  小杉駅にて


【新製配置の歴史】管理人調べによる (  )内は配置数
年度 日産 トヨタ いすゞ 日野 三菱
昭和37年度 DR10(17)  
昭和38年度  
昭和39年度 DR15(13)  
昭和40年度 DR15(2)  
昭和41年度 4R94(9)  
昭和42年度 4R94(15)  
昭和43年度  
昭和44年度 4R110(5)  
昭和45年度 4R110(2)  
昭和46年度  
昭和47年度 4R105(5)  
昭和48年度 U20H(5)  
昭和49年度 U20H(3)  
昭和50年度 U20H(4)  
昭和51年度 U20H(5)  
昭和52年度 U20H(2)  
昭和53年度 U20H(2)  
昭和54年度 K-U31K(1) K-CJM470(6)  
昭和55年度 K-U31K(2) K-CJM470(3)  
昭和56年度 K-U31K(1) K-CJM470(2)  
昭和57年度 K-CJM470(3)  
昭和58年度 K-CJM470(3)  
昭和59年度 P-LV314K(3)  
昭和60年度 P-U32K(2) P-LV314K(2)  
昭和61年度 P-U32K(2)  
昭和62年度 P-U32K(1) P-LV314K(1)  
昭和63年度 P-U33K(3) P-LV218N(2)  
平成元年度 P-U33K(6)  
平成2年 U-UA440HSN(3)  
平成3年度 U-LV324K(6)  
平成4年 U-UA440HSN(2) U-LV324K(2)  
平成5年 U-UA440HSN(3)  
平成6年 U-UA440HSN(6)  
平成7年 LV324K(4)  
平成8年 KC-UA460HSN(8)  
平成9年 KC-UA460HSN(4)  
平成10年 KC-UA460HSN(2)  
平成11年 KC-UA460HSN(1)  
平成12年  
平成13年 KL-UA452KAN(1)  
平成14年 KL-UA452KAN(1)  
平成15年 KL-UA452KAM(9) KL-LV281L1(5) ポンチョ(4)  
平成16年 KL-UA452KAM(3) KL-LV281L1(3) PB-RX6JFAA(3) KK-ME17DF(2)
平成17年 PJ-LV234L1(9)  
平成18年 PKG-RA274KAN(1) PB-RX6JFAA(4)  
平成19年 PKG-RA274KAN(3) PB-RX6JFAA(2)  
平成20年 PKG-LV234L2(8)  
平成21年 PKG-LV234L2(4)  


完全ワンマンカー(前後扉車)の登場

 前後ドア車は、昭和41年5月に池上営業所に4台登場した「完全ワンマンカー」(当時そう呼んでいた)に続き、昭和41年10月に川崎営業所に8台、新羽営業所に4台が登場しました。東急バスで前後ドア車の在籍は、この年の配置のみです。
 当時は、昭和36年に始まったワンマンカー化の真っただ中で、ワンマンカーの導入が推進されていました。ワンマンカー化が完了したのは、昭和48年6月ですが、それまでの間、ワンマンカー化に伴う車両の移籍が頻繁に行われていたようです。
 ちなみに、川崎営業所に登場した前後ドア車は、主に小杉循環線(武蔵小杉駅〜武蔵小杉駅)という路線に使用されていたようです。


 画像提供:すべてO1000さま
 ご提供誠にありがとうございます。

 池上営業所に所属していた4台も短期間(昭和42年10月?)で川崎営業所にやって来たようです。そして、新羽営業所に所属していた5台も同様に川崎営業所に移籍することとなました。
 こうして、この前後ドア車の4R94は、川崎営業所に集中配備されました。 

 【川崎営業所に所属していた車両】

 KA515〜522(新製配置)
 KA523〜526(池上からの移籍)
 KA527〜531(新羽からの移籍)
 

 登場当初は、旧カラーということもあり4桁の社番で登場しています。

 画像は、今はなき川崎営業所で給油中のKA522
   登場当初は、旧路線カラーであったと思われますが、昭和43年度の合理化により、現在の塗色となるとともに、サイドバンパーの廃止などの変更が加えられました。
 当時主流だった銀色のバンパーが懐かしいです。

 画像は、新羽営業所に停車中のNI529。
 当時主流だった1灯式のライトを装備していました。この当時も現在のようにフォグランプが装備されていますが、その後、昭和40年後半から登場する車両から廃止されました。
   昭和41年度下期に登場した車両は、上期の車両と違いは後ろ扉が70センチから80センチに拡大された後部の窓ガラスも一枚ガラスに変更されました。

 こちらも、新羽営業所で撮影されたNI529。 

 サイド後部の特徴がよくわかる貴重な画像です。

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